呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

七月尽

いよいよ七月もおしまい。 何をしていたのかわからない間に時間が過ぎて、 慌てふためいて走り回って、また、 わからないうちに一日が終わってしまいました。そんな一日に、じりじりと肌が焼けつくような暑さの中に、 小さな魂が神の許へ召されました。なぜ…

玉菜(キャベツ)

キャベツ畑の、キャベツの葉っぱの裏に、 1ミリか2ミリほどの、黄色い米粒のようなものがくっついていたら、 それは、蝶々の卵。「キャベツ畑には必ずあるから、探してごらん」 そう言われて探しに行くと、あった。 キャベツ畑にずかずか入って行っても、…

田舎に、「一の滝」「二の滝」というところがある。「一の滝」は、頑張れば子供でも自転車で行くことができたが、 その更に上流にある「二の滝」は、準備をしてかからねば、行けなかった。今は車で走るが、それなりに遠く感じる。滝は小さいものだが、音は滝…

風鈴

我が家にある中庭…というか空間は、 濡れ縁から眺めることができる。 しかし、眺めると言っても、そこはただの空間だから、 今では、ホタル族の兄のためのスペースになっている。濡れ縁に出るガラスの扉に風鈴がかけてあって、 開閉のたびにいい音色が響く。…

土用丑の日

うなぎを食べる日。土用丑の日。 しかし、これは、 江戸のコピーライター 平賀 源内 のコピーで、 鰻が美味しい季節でもないし、 精をつけるのなら、別のものもあるわけだが、 鰻なのだ。結局、現在にも息づく、この素晴らしいキャッチコピーによって、 私も…

蝉の声

蝉には季節があって、順番に鳴き出す。はじめは油蝉。 ジ――――ーーッと鳴く。 「いよいよ暑い夏が来た」と胸が躍る。次にみんみん蝉。 ミーン、ミンミンミン、ミ――と締める。 夏も本番となって、夏を満喫しなきゃ!と 期待と焦りが交錯する頃。そして、蜩が鳴…

片蔭

もうすぐサマー・スクーリングがやってくる。 今年は2期、二週間を日吉で過ごすことにしている。 …と、その前に、教職ログブックの課題が! 愚かな私は、すっかり忘れていたのでした…さて、 このSSは、一週間ぶっ通しで授業を受け、 最終日に試験という、…

夜の虹

この世において、 大切なものを見失うことがある。 あまりに忙しすぎて、つい忘れてしまうことがある。私たちは永遠を見つつ生きねばならない。 永遠のために生き、永遠のために育て、 永遠のためにいたわり、永遠のために耐える。もし、死がすべてを無にし…

心太(ところてん)

私の生まれた土地では、心太をからし醤油でいただく。この心太の味付けに、土地柄があるとは、本当に知らなかった。 東京の五反田で、ホテルまで、すぐそこなのだけれど、 あまりの暑さに歩けなくなって、目についたお店に入った。心太のセットのようなもの…

大暑

我が家は、三年余り前に新築したばかりだが、 それには特別な理由があった。道路拡幅に引っかかったのだ。タダで家が建つのか、おめでとう!…という話ではない。 そんな旨い話ではない。補償交渉が長引き、我が家はこのブロックの最後に取り残されてしまった…

脚気

これが季語だとは、知らなかった。 夏に多いのだそうだ。しかし、 この飽食の時代には、脚気そのものをあまり耳にしなくなった。脚気は、ビタミンBの欠乏症である。 日本人の主食であるお米。 その米を精白すると、このビタミンBが落とされてしまう。 であ…

驟雨過ぐ

今日の午後、遠雷が聞こえ、 しばらくして雨になった。 久しぶりの雨は、激しく降って、すぐに止んでしまったけれど、 風が涼しくなって、ほっと一息ついた感じだ。それでも昼間の暑さが部屋にこもっていたので、 非難…ではないけれども、近くの牧場へ出かけ…

黴は女性の敵である。調理器具に黴が生える。 シンクに黴が生える。 それから、食品本体にも…これは大変!調理器具はステンレスだとか、使いやすいのだけれど、 木製のものも好んで使っている。 というのは、嫌な音がしないからで、 カーンと頭の先に響いた…

梅雨明け

暑い…と思っていたら、梅雨明けでした。この間、発見した「日時計」が気になって、 夕方、川縁の公園へ急ぎました。ちょうど時報が鳴り、6時です。 日時計の影は…? 期待して眺めると、これは?!西側に木が数本あって、西日を遮っていました。 つまり、 日…

田舎に住んでいるので、 角を曲がると、水田が広がっている。 夜、早々と暗くなる道を歩いていると、 ふわーり、ふわーりと、光が浮かんでは消える。出た!…ではない。蛍だ。 近頃は少なくなって、 その時見たのは、三つの光だけだった。蛍の名所は、あちら…

海の日

今日は「海の日」だそうで、 ふさわしい猛暑だった。蒸し暑さのため息苦しく、えら呼吸が必要ではないかと思ったほどだ。我が家のルールで、夜は除湿をしてもいいというので、 涼しくなった。 …そのとたん、眠気が襲ってくるのも、 暑さの疲れによるものと理…

初蝉

兄が東京へ戻った。 今日は蒸し暑い日で、その暑いさなかのお昼ごろ、 兄は車中の人となった。私の「金閣寺 三島由紀夫」を持って行った。 和紙で作ってあったカバーが汚くなっていたので、 新しい淡い緑の和紙でカバーをかけてあげた。買い物があると言うの…

ビール

兄が帰って来たので、 冷やしておいたビールを勧めた。 が、疲れたのか飲まずに寝てしまった。居間で横になって、いつ起きるのやら… 夕飯は?と聞くと、 「明日の朝」と言っていた。かつて遺跡の仕事をしていた時、 汚い格好をして、車で帰って来ていたが、 …

夏痩

夏痩。 これこそ、夏の季語です。歳時記には、 「激しい暑さに負けて食欲不振になり体重が減り、夏バテすること」 とあります。(沢木欣一編『「風」俳句歳時記』 平成8年)しかし、夏バテなんて、近頃は経験がありません。 ちょっと暑くなると冷房の中だし…

夏柳

小さい頃、本当に小さい頃。お風呂屋さんにいく、狭い通りに大きな石碑があって、 それが、柳の木の下にあったものだから、 怖くて、怖くて、そそくさと通り過ぎていました。別にゆらゆら揺れる影が怖いわけではなくて、 柳にまつわる怪談を思い出して、怖か…

香水

「香水」は夏の季語です。 夏のエチケットで使う方も多いでしょうが、 お気に入りの香りに包まれていると気分がいい、というのも理由でしょう。俳句会で、柔らかないい香りを漂わせていらっしゃる方がありました。 男性の香水も素敵ですね。私は香水が大好き…

旱(ひでり)

日本の夏は、暑い。 日本は湿度が高いので、暑く感じられます。しかし、私は知らないのですが、 砂漠の地はどれほど暑いだろうかと思います。随分前、カイロに留学していた方が話していたのには、 毎日、最高気温は39度と発表されていたそうです。 ずうっ…

思い出の七夕祭り

織姫と彦星が、一年に一度、天空で逢瀬を楽しむ日。七夕には、たくさんの思い出があります。 子どもの頃を言えば、 町内の子ども会で七夕飾りをして、夕方、大川へ流しに行きました。男の子が生まれた家では、盛大にお祝いをします。 親戚が招かれて、ご近所…

星祭り

七夕祭りが近くなると、 病院の入口に、竹が飾られます。 そばに短冊とペンが置いてあって、 自由に書き込んで、飾ることができます。様々な願いが書かれています。 何かの理由で、このところに来て、 その立場の思いが書かれていました。自分のことでなくと…

竹の皮

先日、大津へ出掛けた時、京都駅から往復した。 京都の駅は、今では近代化された建築だが、 行きかう人は変わらないように思う。 優雅な西の雰囲気を持っていると感じる。さて、帰りの電車まで時間がなかったので、 お弁当を買って乗ることにして、 駅のホー…

銀龍草

かつて、俱梨伽羅峠の古道を歩いていて、 「砺波山」の道標を見つけた時のこと。木でできた道しるべは、根元が腐りかけていました。 そこへ、坂道の下の方から、激しく木々が騒ぎ立つ音が聞こえ、 だんだんにこちらへ迫ってきました。風がひとしきり辺りの木…

五月晴

新しい大橋に向かって、川沿いの道を歩いていくと、 道よりも土手が高くなっているところがある。 いつもは通りすぎていたのだけれど、東屋の屋根が見えたので、 ちょっと階段を上がっていった。 すると、そこは小さな公園になっていて、 奥の方に石の日時計…

若人の汗

胸の傷やや誇らしげ秋祭り 高島 愼助昨日、教会修養会より戻った私を待っていたのは、 四日市大学 健康科学研究室 高島 愼助 教授の御著書、三冊でした。 貴重な御本を、ありがとうございました。写真も豊富で、読み応え、見応えのある三冊です。今回、お送…

合歓の花

教会婦人修養会に行ってきました。 田舎のホテルは自然が豊富で、 それだけでも、出かけた甲斐があったというものです。 青芝が眩しく、夕方には合歓の花が夕日に染まり、 木の上に眠そうに見えました。講師の堀 一善 先生のお話は、心に響きました。 実生活…

青柿

田舎の畑の中を歩いていて、道を尋ねられた。 しかし、よくわからない。 歴史古道なので、その方の方がよほど詳しい。 小学校の遠足でもなければ、歩いて山越えをしたりはしない。 そんな道だった。畑の傍に柿の木があって、もう2センチから3センチほどに…