呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

加賀の国

かなかなの魂ふるばかり加賀の国.....和生 加賀の国は、田島和生先生の故郷です。 蜩の鳴くころ、久々に加賀の地へいらしたのでしょう。 幼いころの思い出を、そこここに見つけながら、 ゆっくりと散策なさったのでしょうか。 産土神へ足を運んだのかもしれ…

ラピスラズリ

辻家庭園の群青の間は、 秋の日差しに眩しいほどの鮮やかな青色でした。 明治期の日本家屋は、縁側がぐるりとめぐっていて、 低い秋の日差しが、畳の部屋を明るくしています。群青の壁は、あの「ラピスラズリ」なのだそうです。 ですから、百年経とうと、何…

アーモンド句会

今日は、雉アーモンド句会でした。 とても充実した句会でした。というのも、 中には9句も投句なさった方があり、とにかく「熱い」句会となりました。 先週の吟行会での俳句なども出され、 同じ景色を見ての句作ですので、とても勉強になりました。 たくさん…

小鳥来る

「小鳥来る」、秋の季語です。 レストランの大窓は、近くにそびえる木々の梢も隠れることができません。 遠くへ続く尾根が見えます。 その先の山は、能登へと続いているのでしょうか? 小降りの雨。 それでも元気な小鳥が来て、梢に遊びます。 小鳥が散らす…

猪の親子

森林公園。 谷へ下ったところに、猪が飼われていて、 上からのぞくと、灰色の毛並みを艶めかせ、 そこここに猪がたたずんでいるのが見えます。 遠目でははっきりしませんが、もしや、こちらを覗っているのかもしれません。 じっと動かずに瞳をこちらに向けて…

伝道する教会

今日は信徒セミナーが開かれ、 「伝道する教会」と題して、井ノ川勝牧師のお話がありました。 今、生きておられるイエス・キリストが、 私の生活の中に現れているかどうか、自分を顧みて、 福音を伝える思いを強くしたのは、皆、同じだったと思います。救い…

秋風

..秋風や石削る音山中に.....林..徹 秋の澄んだ空気を感じさせます。 空も澄み、ふとした音も響きが大きく感じられる、秋です。 山中から、石を切り出す音が響いているのでしょう。 削られる石の音、機械の金属の音、それぞれが一緒になって響きわたります。…

聖歌隊

今夜は聖歌隊練習の日でした。 みっちり…でもないですが、それなりにしっかりと練習しました。 よくぞここまで難しい曲を、という選曲におびえながら始まった練習ですが、 なんとく仕上がってきているから不思議です。世間一般には、クリスマスはプレゼント…

マグニフィカート

私の中で、神が大きくなりますように…全知全能の主なる神様、あなたに不可能はありません。 それを知らされているにも関わらず、 私は、主を小さく考えてしまっていました。些細なことに挫け、自分を嘆き、これからの時を心配します。 忘れてしまっています…

神をさがす

雨の中、紅葉を詠みに出かけました。 森林公園での吟行会は、雉アーモンド句会初めての催しです。 「森のレストラン」で、昼食をとり、近くを散策します。 雨は小降りになりましたが、雲は早く、 風は頭上の木々を揺らして過ぎて行きます。 植物の名前を確認…

黄落

黄落のただなか乳を吸うてをる 林 徹季語「黄落」、秋。 木の葉が黄色くなって散っている様子を言います。ただ、「紅葉散る」「散紅葉」や「落葉」は、冬の季語になりますので、注意しましょう。黄落と言えば、真っ先に公孫樹を思いますが、わかりません。 …

注文の多いレストラン

吟行会を予定しています。 祈祷会のあと、午後より、森林公園で紅葉狩りです。 まず、「森のレストラン」で昼食をとり、 公園内を車で移動しつつ、吟行します。 …と、ここまではよかったのですが… 大事なことを忘れていました。 「クマ出没注意」です。 鈴を…

信じる者になりなさい

私たちの心は、行ったり来たりの連続です。 主を信じていても、ふとわからなくなり、信じられなくなります。 疑う思いがはっきりとしなくても、 本当だろうか、という思いは、 ふと、心のどこかに、湧きあがってくるのではないでしょうか。 幾つになっても、…

カレンダー

冬の季語になりますが、 「古暦」があります。 一年の暦が果てる、「暦果つ」「暦の果」「暦の終」「暦の末」、 どれも同じ季語の仲間です。 今年の暦が終わると、 「初暦」となり、新年の季語になります。来年のカレンダーのお話。 教会では、諸事情により…

暗む厨

八月六日暗む厨に黙禱す 和生 八月六日、それだけで分かるその日は、 広島に原爆が投下された日です。 朝、8時15分。 登校日の朝礼のその時だったということも、 洗濯物を干していたということも、 証言として残されています。 朝の生活の時間帯、8時1…

吾亦紅(われもこう)

少しだけ考古学に携わっていましたので、 古いものに目がありません。 骨董品が好き、というわけではありませんが、 いいものは心が弾みます。 好みはいろいろあると思いますが、 私は、中世の青磁とか、白磁とかの輸入品が好きですね。 その頃、日本では、…

桜貝

「桜貝」は、春の季語です。先日、ペットボトルのキャップを一袋差し上げた方から、 桜貝を30枚(?)ほどいただきました。 お礼に、ということでした。ご実家が能登とのことで、海岸で拾ったのだそうです。 いつも見る桜貝は、爪のようなかわいらしいものです…

むぎや

「麦屋節」をご存知ですか? 倶利伽羅の合戦で、平家の落人たちが城端、五箇山に住みつき、伝えました。 袴に帯刀で踊る「麦屋踊」は、見る者の心が弾みます。「おわら」「こきりこ」「むぎや」を合わせて、 一つの合唱曲になっています。 岩崎三郎さんの編…

赤や黄色の雨雲…

台風が日本列島を襲っています。 たくさんの方が避難なさっておられるとのことです。 被害がありませんように、祈りを合わせましょう。台風のニュースをずっと見ています。 気象予報士が、緊迫した様子で、 台風の進路や状況を伝えていました。 「赤や黄色の…

秋の夜

秋も日ごとに深まっていきます。 今年は紅葉が早いそうですが、寒くなるのも早いのでしょうか。 近くの城山の池に、鴨が渡ってきていました。 駆け足で、季節が動いているようです。今日は礼拝の後、句会があり、とても忙しい日曜日でした。 日曜日が忙しい…

虫鳴く

虫鳴くや独り暮らしの姉と臥し 和生 姉と弟。 長い年月を経て、また、幼き日のように 二人並んで寝床に臥しているというのでしょう。 違和感は全くなく、子供の時のままのようです。 独り暮らしと書かれていることを思うと、ここはお姉さまの家ではないでし…

石川の力石

四日市大学教授 高島 愼介 先生より、 「石川の力石」をお届けいただきました。 本当に有難うございました。 表紙の絵も新しくされて、開いてみますと、力石の写真があります。 そして、申し訳ないことに、拙句が掲載されておりました。 白露や貫目を刻む細…

かみさまへのてがみ

うろ覚えで申し訳ありませんが、かつて 「かみさまへのてがみ」という、小さな本が大ヒットしました。 英語を翻訳したもので、子供たちが神さまへお話をしていました。 「出エジプト記を読みました。あなたはいい本を書きましたね」 とか、 「ボクはこれをし…

鐘一打

終戦日綱に縋りて鐘一打 和生終戦日。田島主宰は大津にお住まいですから、 これは三井寺の鐘かもしれません。 残暑厳しいこの日、汗だくになりながら、鐘を突く姿が目に浮かびます。終戦の日をご存知の方も少なくなりました。 しかし、鐘を突かずにはいられ…

秋燕

彳(たたず)めば人も木のごと秋燕 和生 そろそろ帰るころの燕。 秋になり、涼しさが感じられ、野に草花が咲き乱れている中、 秋の燕は、次々と空から急降下しては、また空へ舞い戻っていく…元気のいい燕に、そろそろ渡りの訓練かしらと思いを馳せる。 空を…

萩の風

頸立てて亀の四方見る萩の風 和生水面を眺めていると、どこからか鹿威しの音が響いた。 見ると対岸に果樹園があるようで、青いネットが広がっているように見える。 潟には風が流れ、海の方面には橋が小さく架かっていた。 老人と赤いスカートの幼子がやって…

秋の夜

今日も一日が終わりました。日曜日は主の日。 礼拝へ出席し、また一週間の始まりです。特別いいこともないけれど、悪いこともない。 疲れれば美味しいものを食べて、ゆっくり休みます。 心が疲れたなら、芸術を楽しみ、自然を楽しみます。 そのような日々で…

野分(のわき)

秋に吹く暴風を言います。 「野の草木を分けて吹く風」という意味だそうです。(風歳時記) 「今の台風に相当する」そうです。「野分だつ・野分晴・野分雲・夕野分」も同じ仲間です。今日は台風接近のためか、妙な温かさがあります。 災害が続きますが、台風の…

オルガン・コンサート

於:金沢教会オルガン・コンサートが開催されました。 〜フランス ブルゴーギュから“生きる喜び”〜 演奏:モーリス・クレール人が歌うような、きらきらと光が輝くような、そのような音色でした。 「小鳥来る」という季語を、なぜか思い浮かべました。 小鳥が囀…

金木犀

金木犀の句が目立った、先日の句会。 まだ早いのでは…と、とぼけたことを言っていたのは私だけで、 街角にも、もう、あちらこちらに金木犀の香りがしていました。 足を止め、振り返り、その姿を探す。 金木犀には、それほど魅力があります。金木犀風の行手に…