呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大南風

石室の奥壁あらは大南風 田島 和生なるほど!「大南風(おおみなみ)」ですか。 思わず口にしました。 「石室」とは、古墳だと思います。 遠雷の聞こえて来た塚の中へ入っていらして、 あるいは、覗いて、奥の壁まですっきりと見通せたのでしょう。 「大南風…

遠雷

遠雷は乳房型せる塚あたり 田島 和生WEP俳句通信Vol.100より。 「乳房型」という言葉が目立ちます。 つまり、これは古墳でしょう。 「遠雷は」「塚あたり」ということは、 遠くから見えている古墳でしょうか。 独立して築かれた円墳を、乳房型と捉えた作…

白百合

白百合へ雨粒はつか高曇 田島 和生「雨粒はつか」僅かな雨が、 曇り空からはらはらと落ちてきます。 それを見上げているのでしょう。 キラキラと輝く雨粒ではなく、ほつほつと微かに光る雨粒。 それは、「高曇」という言葉から想像しました。 高曇の空に、白…

青瓢(あおひさご)

青瓢幼ながらにくびれゐし 田島 和生WEP俳句通信より。 面白い俳句だと思いませんか? 青瓢とは、瓢箪のまだ熟していないものをいいます。 まだ、青く若い実を、人を思わせる表現で詠んでいます。 「幼ながらに」まだ、子供だというのに、 「くびれゐし」…

精霊蜻蛉

水匂ふ背戸の精霊とんぼかな 田島 和生「精霊とんぼ」とは、盂蘭盆のころに現れる蜻蛉のことだそうで、 多くは、ウズバキトンボを言うそうです。 「背戸」という言葉が好きでした。とても合っていると思います。 幼い頃、私も「背戸」と教わり、話していまし…

鰻釣

竿立てて行つてしまへり鰻釣 田島 和生『WEP俳句通信』より。 昨日の作品のつづきのようです。 子鷺が見守っていた鰻釣。 竿を立てて行ってしまったようです。 いともあっさりとした表現で、後に残された水面を表します。 何事も過ぎてしまえば、跡形もな…

鷺の子

鷺の子の舳先に見遣る鰻釣 田島 和生鰻釣の舟が出ているのでしょう。 私は、鰻釣を見たことがないので、詳細は分かりませんが、 鰻釣の舟の先に、小振りの鷺が来て止まったのでしょう。 「鷺の子」とあるように、それは、怖気づくこともなく、 鰻を釣る漁師…

釣の子

釣の子が立ちて背見す葛嵐 田島 和生『WEP俳句通信』vol.100より 葛原を思います。 「葛嵐」を用い、葛の動きを出しました。 「釣の子」が、しゃがんで引きを待っていたのでしょう。 そこへようやく当たりがきました。 子どもは立ち上がります。小さな…

寶圓寺

利家とまつの菩提寺…とのこと。 寶圓寺。 時間ができたので、その辺りを歩いてきました。 一度、訪ねようとしたところが、見つからなかったことがありました。 この辺りは高低差が激しく、上の道と下の道と行く方向を間違えると、 地図では近いはずなのに、…

となりは何をする人ぞ…

爽やかな秋を、どのようにお過ごしでしょうか? 音楽鑑賞というには及びませんが、 ネット色々と検索して、近頃、ラ・カンパネラはじめ、 ピアノ演奏がお気に入りです。 色々な方の演奏を聞き、心を震わせています。 最もよく聞くのは、辻井伸行さんです。 …

車百合

車百合磨き丸太へ数多咲き 田島 和生車百合がたくさん咲いています。 磨き丸太とありますので、製材所か何処かで、 立派な丸太なのだろうと思います。 その丸太が、たくさん重ねられているところに 車百合も数多咲き競っているようです。 何気ない景色ですが…

芍薬

芍薬が貰ふ仏花の余り水 田島 和生こんな句を詠んでみたい… そのように思いました。 楽しいですね。 つまりは、仏さんにお供えしたお花の水を、 庭の芍薬にかけてあげた、というだけでしょう。 たったそれだけのことが、上品に詠まれています。 何でも句にな…

南瓜の花

朝日浮き南瓜の大き花咲(わら)ふ 田島 和生 朝日が顔を出したとき、その日差しによって、 南瓜の花がまぶしく、鮮明に現れました。 花が、楽しそうに人が笑った顔に見えたのでしょう。 花が「咲ふ」と書いて、「わらふ」と読ませました。 思い切った表現方だ…

秋の伝道礼拝

秋の伝道礼拝のご案内です。 10月15日(日)午前10時15分より 於:日本基督教団 金沢教会 説教「選ぶ人生、選ばれる人生」 井ノ川 勝 牧師 聖書:申命記 7章6〜8節・コリントの信徒への手紙一 1章26〜31節 高校生が100人ほど出席の予定です。 お早めにお出か…

「筆談」は差別か?

先日、俳人協会全国俳句大会において、拙句が入選いたしました。 小澤 實 選 筆談の文字へ落花のつづきゐし ちえりしかし、今日、この句について、身近なところから苦情を受けました。 聴覚障害者を詠んだのではないかとの内容です。 掲句は、まったくの事実…

爽やか

爽やかないい日が続きます。 今日は10月10日、やはりお天気でした。 こんないいお天気の日は、何かを探しに出かけたくなります。 何を探すというのでしょう。 駅裏にできた新しい道を通り、公園に入ると、日時計がありました。 ですが、文字盤の見方が判らず…

体育の日

今日は、良く晴れた体育の日でした。 サイクリングの方が、よく目につきました。 一人、また一人、走ってきたかと思うと、 その後ろから集団で走ってきました。 コスチュームもよろしく、それはそれは格好良かったです。 体育の日は、1964年の東京オリンピッ…

殉教

日曜日は主の日。 礼拝と共に、会報「みち」の発行が発行され、 主の言葉を受け止めました。 「みち」において、神学者ルードルフ・ボーレン神学者の言葉が 紹介されています。伝道者に向けられた言葉です。 「殉教の覚悟をしなさい」 それは、説教を語って…

みんみん

みんみんの千年杉に声絞る 田島 和生 みんみんとは、みんみん蟬のこと。 梅雨明から、まず、暑さを煽るような声で鳴くのが、油蝉。 盛夏を過ぎたあたりから勢力を拡大する、みんみん蟬。 私の季節感では、このような順序です。 クマゼミの最北は、今は、神奈…

大蛾舞ふ

大蛾舞ふ月下美人に触れもせず 田島 和生子どもが青虫を拾ってきて、嬉しそうに母親に見せます。 見ると、お尻の方に角がありました。 母親は、図鑑を取り出し、 この青虫は、蝶ではなく、蛾になるのだと説明しますが、 子どもは納得しません。 写真を見せ、…

月下美人

月下美人はなびら震へ濃く匂ふ 田島 和生実は、月下美人の咲いた姿を、生で見たことがありません。 「これが咲きます」 「今夜あたりかな」 という、数時間前の姿は、目にしたことがあります。 あとは、写真ですね。 田島先生のお宅には月下美人があり、 写…

白鳥座

月下美人天の真上へ白鳥座 田島 和生月下美人は、夜に咲く花。 サボテンの仲間です。 不思議なことに、下へ撓らせた葉の先に 上向けに大きな花を咲かせます。 幻想的な大きな白い花は、夜にしか会えない 幻の美女に譬えられての命名でしょうか。 日がとっぷ…

雉十日会の秋

10月になり、俳句関係の仕事が増えています。 大したことはないのですが、たくさんありますので、ちょっと大変です。 今日は、夕方から、公民館に短冊の展示をしてきました。 お隣が、ライバル(?)の句会の展示でしたので、少しばかり、力が入ります。 今…