呼吸のように・・・

俳句のエッセー

玉菜(キャベツ)

キャベツ畑の、キャベツの葉っぱの裏に、
1ミリか2ミリほどの、黄色い米粒のようなものがくっついていたら、
それは、蝶々の卵。

「キャベツ畑には必ずあるから、探してごらん」
そう言われて探しに行くと、あった。
キャベツ畑にずかずか入って行っても、怪しまれない子供のなせる技だ。
今では、とてもできない。
しかし、
今頃になると、キャベツ畑には、蝶々がたくさん飛んでいる。
どうしてだか、キャベツ畑を離れずにいて、
夏の日差しを受けて、翅を瞬かせている。

紋白蝶の白い翅は、玉菜の上を、ひっきりなしに揺れ続けている。
玉菜の上に、また、花が咲いたようだった。