呼吸のように・・・

俳句のエッセー

初蝉

兄が東京へ戻った。
今日は蒸し暑い日で、その暑いさなかのお昼ごろ、
兄は車中の人となった。

私の「金閣寺 三島由紀夫」を持って行った。
和紙で作ってあったカバーが汚くなっていたので、
新しい淡い緑の和紙でカバーをかけてあげた。

買い物があると言うので、金沢駅まで送って行ったが、
近くまで来て渋滞となり、兄は一人、駅へ向かって歩いて行った。

さすがに、ちょっと老けたかな…(年相応?)と思った兄だったが、
後ろ姿ははつらつとして、頼もしく感じた。
大変だけど、充実しているんだろうと思う。

だから、今日は夕礼拝に出かけた。
夕日に陰った教会の門を入ると、もう蝉の声が聞かれた。

いよいよ夏だ。

心を入れ替えて、今から頑張ろう!
と、
今日も、また、つぶやくのだった。