呼吸のように・・・

俳句のエッセー

俳句鑑賞〈秋〉

星の暗闇

裏口は星の暗闇虫しぐれ 和生 季語は「虫しぐれ」。 耳をづんざく虫の声を思います。 晩夏から、はらはらと鳴き出す虫の声に、 秋が近いことを思ったのもつかのま、 すぐに、虫しぐれとなる、秋の夜がやって来ます。 裏口とありますので、自宅か、あるいはど…

ちんちろりん

足許の水辺暮れ初めちんちろりん 和生 季語は「ちんちろりん」、秋です。 チンチロリンとは、怪しげな遊びのことではありません。 主季語は「松虫」。 傍題は、他に、金枇杷・青松虫・ちんちろ。 鈴虫のように、柔らかな鳴き声ではなく、 近くで聞くと、お祭…

色鳥

色鳥や村の社の大けやき 和生 季語は「色鳥」。秋です。 秋に渡ってくるいろいろの小鳥は、その姿の美しさから、 総称して「色鳥」というそうです。 沢木欣一先生が、そう仰っています。 春は「囀り」「百千鳥」なら、 秋は「小鳥」「色鳥」です。 おそらく…

断層の崖

断層の崖の家々秋の雲 和生 災害が多い日本の国。 地震や出水。備えを思わないときはありません。 「断層の崖」とは、きわめて危険な地域に 家が建っている、ということでしょうか。 古くからの家は、代々続いてるもので、 現代に言うハザードマップなど、意…

大琵琶

大琵琶は連山の影涼新た 和生 琵琶湖に映る山の影が大きく感じられ、 その風景に、秋の初めの涼しさを感じています。 琵琶湖の風景に接した記憶が少ないため、 俄かに思い描くことが難しいのですが、 琵琶湖と言えば伊吹山でしょうか。 よく伊吹山を背に、竹…

ひぐらし

暁闇をひぐらし切に鳴きかはし 和生 朝まだき。 ひぐらしとは、切ない鳴き声です。 「鳴きかはし」とありますので、 ちらりちらりと鳴くのではありません。 「切に」は、「しきりに」という意味ですから、 勢いよく鳴き合っているということでしょう。 ある…

淡海の夜明け

「雉」田島和生主宰が、月刊『俳句界』9月号において、 特別作品30句を発表されました。 田島主宰の俳句に挑戦してみたいと思います。 水匂ふ淡海の夜明け小鳥来る 和生 「淡海の夜明け」に、実にさりげなく盛り込まれた季語、 「小鳥来る」。 こちらは、秋…

朝顔

勝手連 13日より咲き始めた「勝手連」。 窓ごしに撮っていますので、こちら向きに咲いた一輪を接写しました。 ほとんどが、太陽を向いて咲きますので、 窓からは後ろ向きになります。 珍しい一輪を写真に納めました。 近頃、FBで話題の勝手連ですが、 実は…

五位鷺と稲光

五位鷺の低く鳴きゆく稲光 田島和生 私の記憶では、五位鷺は、きれいな声ではありません。 青鷺もぐるるぐるると鳴きますが、 似たようなものだったと思います。 違っているかもしれません。 掲句、「低く鳴きゆく」とありますので、 イメージは、遠くないと…

誰がために

誰がために赤き実あまた山法師 拙句です。 赤い実をたくさんつけていた山法師。 山ですから、人気はないし、 鳥さんが食べに来るのかな、と思いつつ 詠んでみました。 誰のために。 そういえば、法律は、 人のためにあるのであって、 法のために人がいるので…

ご紹介します

昨年より、落ち着かない日が続きましたが、 ようやく気持ちが落ち着いてきたので、 また、新たな意欲が沸いてきました。 今日、新しくチャンネル登録してくださった方があり、 しかも外国からのアクセスでして、感激いたしました。 こちらの動画を高く評価し…

次の世へ師の逝きませり薔薇の秋

次の世へ師の逝きませり薔薇の秋 田島 和生 2018年8月30日 佐藤尚夫先生は天に召されました。 佐藤先生の第一句集『薔薇』は、 文学の森賞に輝いています。 佐藤耳鼻咽喉科医院には、薔薇がたくさん育てられています。 医院の入口へ至る階段の両脇は、薔薇の…

御神籤は吉と一字や薄紅葉

御神籤は吉と一字や薄紅葉 田島 和生 御神籤をひいて、「吉」と出ました。 季語は「薄紅葉」。色付き始めた木々の葉を詠んでいます。 これは、面白い俳句だと思いました。 薄紅葉、これから濃くなろうという紅葉に、 「吉」の御神籤。 これから何かが起こり…

初秋風馬の真直な目と出合ふ

初秋風馬の真直な目と出合ふ 田島 和生 馬は草食動物です。 ですから、目は横を向いてついています。 視界は、確か90%あるはずです。 後の10%は、 真正面と真後ろ。 馬に近づくときは、真正面からと真後ろは、タブー。 馬が警戒して、何かするかもしれませ…

露けし

露けしや厩舎の馬のみな黙し 田島 和生 「雉」10月号が届きました。 気が付けば、もう10月です。 うっかりしていると、すぐに時間が経ってしまいます。 雉北陸地区のブログは、近日中にアップします。 宜しくお願い致します。 馬は、とても人間的な動物です…

鶏頭を三尺離れもの思ふ 綾子

鶏頭を三尺離れもの思ふ 細見 綾子 有名な鶏頭の俳句。 不思議な俳句です。 俳句らしくないところが、綾子俳句の魅力でしょう。 綾子は、このように、 物思いに耽っていたようです。 ある意味で 哲学的なこの俳句は、多くを読み手の想像にゆだねられているの…