呼吸のように・・・

俳句のエッセー

蝉の声

蝉には季節があって、順番に鳴き出す。

はじめは油蝉。
ジ――――ーーッと鳴く。
「いよいよ暑い夏が来た」と胸が躍る。

次にみんみん蝉。
ミーン、ミンミンミン、ミ――と締める。
夏も本番となって、夏を満喫しなきゃ!と
期待と焦りが交錯する頃。

そして、蜩が鳴き、法師蝉が鳴く。
その頃になると、
 「夏休みも終わりだな」と、
寂しさいっぱいになったものだ。

これが、私の季節感だったが、
東京に行って驚いた。
いきなり、みんみん蝉が鳴くのだ。
助走がなくて夏になったような感じで、焦りを覚えた。
しかも、その鳴き声が立派で、
皆、規則正しく鳴く。
節が一つ足りなかったり、多かったりしない。
遺伝子だろうか?不思議である…

さて、北陸では、ようやく油蝉が鳴き出した。
都会の蝉たちは、どんな様子か、
誰か伝えてほしい…