呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夕靄

にわかに靄が湧きたち、 山を覆う勢いで、谷底より登り来る。 鶯が老いを啼き、その声がこだまする夕べ。 華やかな花の時を過ぎた桜に 蜘蛛が巣を張っていた。 放射線状の真ん中に、小さな蜘蛛。 谷風が蜘蛛の囲を真っ直ぐに吹き付け、 しなやかに受け止める…

木槿

道のべのむくげは馬にくわれけり 芭蕉むくげは、思いの外高いところに たくさん花をつけます。 塀の上から八方に伸びていたり、 公園のアーチのように蔓延って、 マラソンの人が下を走っていったり、 農家の庭に巨大なブーケのようになっていたり…白が清楚で…

つばめ つばめ

つばめつばめ泥が好きなる燕かな 細見綾子燕の子の顔が見えます。 巣に口を開けて、親を待っています。 雛の羽毛は、まだ涼しそうですが、 それがまた、愛らしく思えます。口が大きく開かれて、並んでいます。 親つばめが戻ってくると、巣は騒がしくなります…

病葉(わくらば)

日曜日は主の日。葉桜や樟の木の茂りに 赤く病んだ葉を見つけます。病葉とは、虫などの影響で、 青葉の中に枯れてしまったり、変色したりしているものを言います。 しかし、病葉は、美しい…青々とした大樹の中に夕日が差して、 病葉は燃え立つように赤く光を…

蜻蛉の眼

蜻蛉は、じっとしている時も、 目を動かしています。 眼を上げたかと思うと、飛んで行きました。 なぜ、飛び立っては、もとの場所に戻ってくるのでしょう? 蜻蛉に聞いてみたいですね。

花火

新潟に行ってきました。 帰りの電車があまりに混んでいるので尋ねてみると、 何でも花火大会があるそうな… 長旅で座れないのは残酷なので、何とか確保したものの、 人の熱気に車内はムンムン… ですが、浴衣の方々もいらして、夏の気分が増します。 浴衣姿は…

黄金虫

コガネムシは金持ちだ。 如何にもきらびやかな様相の甲冑に身を包んでいる。 花に潜んでいる時も、どことなく雅で、ジタバタしない。 ゆったりとして、起きているのか、眠っているのか分からない。 一匹がじっとしているその傍で、 もう一匹が脚を一本伸ばし…

季寄せ

知らない名前で、本が贈られてきました。 何か良くないことでもと、ただちに開いたところ、 俳句のお仲間からでした。 別の名前になっていたのは、その方に送付をお願いしたからのようです。 その旨、簡単な添え書きがありました。 何事でもなくて、良かった…

山牛蒡の花

あまり知られていませんが、 「山牛蒡の花」は、夏の季語です。 すかんぽ(いたどり)だと思って撮影していたものが、 どうもそうではないらしいと気づき、 実は「山牛蒡」だということが分かりました。 怪我の功名で、私は山牛蒡を忘れることはないでしょう…

青栗

青栗。 枝に乗っかって、小さくてもしっかり栗である。 が、まだ毬はそれほど固くない気がする。 枝の高くにあって、ゆっくりと見られなかったので… 可愛い青栗を見続けて、いつしか辺りは薄暗くなっていた。 先程まで鳥の鳴き声がしていたのに、 気がつくと…

パセリ

日曜日は主の日。 礼拝の後、婦人会が行われ、 簡単なお食事会がありました。 アボガドのムースもあり、いつもいつも 工夫を凝らしたメニューに感激です。今日のお話は、教会の葬儀について。 信仰的な内容から、実際問題として家族と宗教が異なる場合、 ど…

泰山木の花

泰山木の花は、ぎょっとするほど大きい。 しかも整った花弁を、作り物のように開く。 高い木の枝に花をつけるので、余り気にしなかったが、 崩れた空家の庭の泰山木が傾ぎ、 垣根の目の高さに開いているのを見た時は、少しばかり衝撃を覚えた。 整った花も、…

青蛙

青蛙は、青葉に保護色で、本当に分かりにくい… 特に、カメラのファインダーでは捉えにくくなる…その蛙の撮影成功…というほどではありませんが、 我が家の紫式部の青葉に、二匹の青蛙がじっとしていたので撮ってみました。このところの暑さに耐えて、葉の上で…

ねむり草

ねむり草。おじぎ草。 我が家のおじぎ草は、70センチ丈になりました。 花は咲きそうにありませんが、 暖房を入れる頃に咲くことが分かったので、 焦らずに眺めています。夜にはこぞって葉を閉じ、気持ち良さそうに眠ります。 朝は、私より早く目覚めて、の…

トマト

トマトが美味しい季節になりました。 いつのころからか、我が家では湯むきトマトが定番です。 どんな時も、必ずトマトは皮を剥かれて出されます。 完熟の真っ赤なトマトは柔らかいイメージですが、 品種改良によって、色だけが赤いトマトもあります。 いずれ…

風鈴の風

風に風鈴が鳴る。 開けていたドアの隅に、風鈴が鳴る。 風が、今、部屋に入って来た。 目に見えない風、風鈴がその存在を告げる。人の心は見えない。 誰も、見えるところだけで生きているわけではない。 見えないところが、むしろ大切なことが多い。見えない…

ベランダに水を放って、お掃除に精を出します。 排水口の芥を除けて、流れを良くし、 赤レンガをブラシでこすります。 乾いていると気づきませんが、湿気るとぬるぬるして滑って危険です。 端の方はブラシが届かず、工夫しながら洗っていきました。 汗を流し…

麦茶

日曜日は主の日。 今年も冷茶サービスが始まりました。 礼拝のあと、ロビーで冷茶をいただくことができます。 熱中症対策としても有効だと、婦人会の方々の奉仕です。 冷たくて、美味しくて、つい、おかわりしていただいてきました。教会は聖霊が働いて、皆…

合歓の花

山頂の合歓の花は、強い夕風に晒され通し。 花は夕日を受けて、より一層あかあかと見えます。 合歓の枝は強い。 なぜかと言うと、とても柔らかく撓うから。 風に晒されつつも、しなやかに受け流す。 その強さ。 合歓の花は可愛らしく、でも強い。 本当の強さ…

西日

「西日」は夏の季語です。 夏の夕日が照りつけて、辺りがオレンジ色に燃え立つような、 そんなイメージの言葉です。 「大西日」もそうです。 日が暮れても、夏は暑さが残ります。 今は、まだ、ましなはずですが、 実際はかなり過酷な気候ですね。 注意しまし…

三光鳥

谷にある滝。 道を間違えて、入っていったそこに、 小さな階段が設けてあり、谷へ降ることができます。 足元から轟音が聞こえてきます。 風が湿っぽい。 まだ見えてこない滝の気配が、木立に満ちていました。滝から離れ、切り立った山を辿る細い道を行くと、…

涼しげな滝。 その音は激しいですが、澄んだ水の流れとともに、 心地よい響きと思うのは、不思議ですね。 水の流れは穏やかで、なめらかに艶めいているところが、 一変して轟音と共に流れ落ちます。 岩を打って、抉って、更に水は落ちて行きました。 白いし…

熱中症

熱中症対策が必要なころになりました。 「暑い、暑い」の連呼です。 横断歩道を歩いている小学生が、 ぐったりして顎を出していました。 湿っぽい暑さは、汗がだらだら流れて、 体の奥から疲れるような感じです。 お昼寝ができたらいいのですが、そうもいき…

梅雨じめり

雨が降ったり止んだり。 降りだすと大粒です。教会のお掃除の日だったのですが、 ちょうど晴間にあたり、幸運でした。 なんとなく窓拭きをしだして、ベランダへ出て、 それほど働いてもいないのに、汗がだらだら流れて、 いたわっていただくほど、良く働いた…

タヌキ

狸は冬の季語です。 もちろん、狸は年中います。 私の通っていた高校にも狸が棲んでいると評判でした。 ただ、狸は夜行性ですので出会うことはありませんでした。 近くにいそうで、見ることができない動物。 その中の一つが、狸でした。 その狸と、ついに遭…

水を打つ蜻蛉

倶利伽羅ふもとにある大池に、よく出かけます。 夕方になると蟇蛙が鳴き、 灌木には石ころが動き出し、亀だと分かります。 辺りが薄暗くなると、一面青紫色の景色になり、 その青紫の一片が、不意に空へ飛び立ちます。 青鷺でした。 燕が池の面に触れつつ飛…

眠る合歓

合歓の葉は、夕方から閉じて、 眠るような格好になります。 おじぎ草のように、葉を合わせて夜を過ごします。合歓の葉が眠る時、 山蟻が枝を、葉を、歩き回っていました。働き者の蟻は、合歓が眠っても こうして働いているのでしょう。人は蟻ではないので、 …

浮気な蜂

花から花へ…夢中に蜜を吸う蜂。 小さなシロツメクサを揺さぶりながら、 一つ、また一つと飛び回っていました。 蜂がしがみつくたび、花は撓り、地面に着きそうになります。 元気な蜂をはじめ、様々な生き物たちが活気づく倶利伽羅峠です。桜の木から落ちた巨…

子牛

お母さん牛を追いかける子牛。 お母さん牛は、梅雨の晴れ間に牧に出て、 ゆっくり草を食べていたいのに、 子牛が乳をねだります。 乳を吸う子牛に、今度は母牛が子牛を舐めます。 母牛が子牛を舐める姿に愛情を感じます。梅雨の晴間の牧の牛。 私たちとは違…