呼吸のように・・・

俳句のエッセー

黄金虫

コガネムシは金持ちだ。
如何にもきらびやかな様相の甲冑に身を包んでいる。
花に潜んでいる時も、どことなく雅で、ジタバタしない。
ゆったりとして、起きているのか、眠っているのか分からない。
一匹がじっとしているその傍で、
もう一匹が脚を一本伸ばして、翅を乱していた。
蜘蛛の巣に脚を捕られたらしい。
蜘蛛の糸なんて細いし、コガネムシは甲冑を着ているのだから、
問題ないだろうと思っていたが、思いの外苦労して、
ようやく抜け出していった…

やれやれ。

さて、
先程のコガネムシは、と探してみると、
葉の裏に二匹が仲睦まじくなっていた。
小さなコガネムシは、子沢山になるのだろう。
コガネムシは…
宝をたくさん持っている。