呼吸のように・・・

俳句のエッセー

長閑(のどか)

長閑。
窓辺に春の日差しが心地いい。
まだ弱い日差しは、もったいなくて、
全身で受け止めたく、窓辺に両手を開く。
と、見ると、窓の外、すぐそばの石の階段に、
猫が四匹、並んでひしめいていた。
階段はせまいので、猫たちは背筋を伸ばして並んでいないと、
全員が座ることができない。
きちんと整列して日差しを浴びている姿は、
不思議で、愛らしい。
目を細めて日差しを楽しんでいるようだ。

猫たちと私、窓ガラスを隔てて並び、
春の日差しをのんびり楽しんだ、
長閑なひと時だった。