呼吸のように・・・

俳句のエッセー

淡雪

淡雪の日。
午後になって気がつくと、10センチ以上積もっていた。
日が射すと、すぐに消えてしまうと分かっていて、
それでも雪を掻いておく。
ふんわりと落ちてくる雪の綿は、地上まで
交差しながら落ちてくる。
鴉が鳴くので、目を上げると、
大屋根から鴉が翼を揺らしながら現れた。
だみ声を残し、そのまま飛び去っていった。

元気のいい鴉は、春の雪の中を、
まるで空中の雪を掻くように、飛んでいった。
雪は降っても、春らしくなるのは近いようだ。