呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2017-01-01から1年間の記事一覧

大蛾舞ふ

大蛾舞ふ月下美人に触れもせず 田島 和生子どもが青虫を拾ってきて、嬉しそうに母親に見せます。 見ると、お尻の方に角がありました。 母親は、図鑑を取り出し、 この青虫は、蝶ではなく、蛾になるのだと説明しますが、 子どもは納得しません。 写真を見せ、…

月下美人

月下美人はなびら震へ濃く匂ふ 田島 和生実は、月下美人の咲いた姿を、生で見たことがありません。 「これが咲きます」 「今夜あたりかな」 という、数時間前の姿は、目にしたことがあります。 あとは、写真ですね。 田島先生のお宅には月下美人があり、 写…

白鳥座

月下美人天の真上へ白鳥座 田島 和生月下美人は、夜に咲く花。 サボテンの仲間です。 不思議なことに、下へ撓らせた葉の先に 上向けに大きな花を咲かせます。 幻想的な大きな白い花は、夜にしか会えない 幻の美女に譬えられての命名でしょうか。 日がとっぷ…

雉十日会の秋

10月になり、俳句関係の仕事が増えています。 大したことはないのですが、たくさんありますので、ちょっと大変です。 今日は、夕方から、公民館に短冊の展示をしてきました。 お隣が、ライバル(?)の句会の展示でしたので、少しばかり、力が入ります。 今…

九月尽

今日で九月もお終いです。 だんだんと涼しくなってきて、 紅葉も見られるようになり、 ちょっと寂しさを感じます。 まず、一番に色付くのは、桜でしょうか。 今頃は、まだ、うっすらとしていますが、 見ると桜の木でした。 また、蔦も色付き初めています。 …

いしる

能登金剛へ行きました。 お天気がいい日でしたが、波が高く、 遊覧船は休航でした。 姉は、まだ、早く歩けないので、 近くの食堂で昼食をいただくことにしたのですが、 メニューの中に、「いしるラーメン」というものがあり、 それにしてみました。 いしるは…

爽やか

今、リハビリ中の家人を叱咤激励する日々です。 叱咤激励…と言いますか、 「調教ではないか」と、文句を言われているほどです。 ですが、リハビリは楽なことではありません。 身体を動かすことがきついですし、 そのあとの筋肉痛も激しいですし、 辛いことだ…

初稿届く

雉十日会、初稿、届きました。 間違いの多いことに驚き、 提示された表紙案に感動し、 色見本に頭を悩ませ… 時が過ぎるのが、早い。 明日は、主日です。 そのあと、信徒セミナーが待っています。 セミナーが終われば、その足で句会会場へ向かいます。 なんだ…

短日

随分、日が短くなりました。 早くに暗くなり、心細い思いがします。 一方で、温かな灯を嬉しく思います。 明日は、俳人協会富山県支部の大会があります。 13時からと思っておりましたら、終わりの方に、 「投句締切 12時」とあり、焦りました。 つまり、12時…

初稿

雉十日会「合同句集」の初稿が、明日、発送だそうです。 明後日には手元に届きます。 何分にも、初めてですので、出版社の指導に基づいて行います。 文字校正、レイアウトのこと等は、 まず問題ないと思いますが、気がかりが一つ。 個別の写真をお入れした人…

うすうすと反故焚くけむり立葵 田島 和生これは、とてもよくわかる俳句です。 立葵の華やかなころ、まぶしい日差しの中、 畑中に何かを燃やしている煙を見ます。 あまり、気にしませんが、確かによくある景色です。 この句に、ハッとさせられたのは、 反故を…

エクレシア

教会を意味する「エクレシア」とは、呼び集められた者という意味です。 つまり、神さまに呼び集められた者の集まりが、教会ということになります。 一般に、人が集まる場合、共通した目的や趣味や、何か共通点があるわけですが、 教会には、それがありません…

台風一過

台風が過ぎました。 北海道では、まだ、危険な状態のようですが、 こちらは過ぎて行きました。 無事で何よりでした。 台風が過ぎたことを、台風一過といいます。 笑い話で「一家」と言った書いた、ということがありますが、 台風一過です。 さて、言わずもが…

台風

台風、接近中。 今、雨が音を立てて降っています。 段々と激しくなるもよう。 今夜は注意と気象庁が言っているので、待機しています。 植木鉢を外に置いたままにしていたことに気付き、 先程、片付けた次第です。 危ないところでした。 被害がありませんよう…

落蟬

鳴き切つて蝉の落ちたる木の周り 田島 和生蝉は、かわいそうですが、とても短い一生です。 その儚い命の持ち主は、ひと時、山を揺るがすほどの声になります。 どれだけの蝉がいれば、このような声になるのかと、不思議に思います。 自然の壮大さは、計り知れ…

蝉の声

明くるより一木の蟬声を和し 田島 和生これは、よくわかる風景です。 朝日が差し込むやいなや、蝉は一斉に声を上げるのです。 朝になると、いざとばかりに鳴きだす蟬たちに、 自然の不思議を思ったものです。 今では、住宅事情がいいので、防音もそれなりで…

高野素十

「高野素十自選句集」を手に取り、思い出します。 これは、宮崎修先生からいただいた本です。 修先生、と言いましても、俳句の先生はなく、 耳鼻科の医者でいらっしゃいました。 林徹先生のご友人で、俳句を始められた方です。 その修先生と句会を通じてお知…

雉十日会合同句集

ようやく入稿も済ませ、写真も送付しました。 これで、合同句集の原稿は、すべて揃いました。 あとは校正をして、本に仕上がって行くのだと思います。 上梓したことがないので、すべてが初めての経験です。 思わぬところで手間がかかったり、勉強になりまし…

案山子

早稲刈りが始まっています。 金色の稔田をコンバインが取り囲んでいるように見えました。 一枚、一枚、刈られて行くのでしょう。 ところで、 近頃、案山子を見ませんが、どうしたのでしょうか。 かつては、鳥よけのキラキラしたテープをめぐらしたり、 CD…

秋の風

私事で恐縮ですが、 姉が股関節の手術で入院中です。 順調に回復し、早くも歩行器で歩き回っています。 元気になると、病院生活とは退屈なもので、 Tully'sでコーヒーを飲み、コメダでアイスを食べ、 それでも時間が余って仕方がありません。 仕方がないので…

朝顔の実

すっかり涼しくなり、 先週まで、あれほど暑かったことが嘘のようです。 気負うつもりはなくても、何かとせわしくしています。 家人が入院、手術をしました。 回復力は動物並みで、驚くほどです。 本人の希望としては、誰にも気づかれないで治療を終え、 元…

曼殊沙華

夕方は遠くの曼殊沙華が見ゆ 細見 綾子曼殊沙華のはっきりとした朱色、河原などに見かけます。 土手一面の曼殊沙華は、遠目にも鮮やかに見えます。 しかし、夕方になったからといって、 遠くの曼殊沙華が見えて来るとは、実景として考えにくいのではないでし…

出来ましたよ

雉賞の締め切りが、9月末から8月末になり、 随分と忙しい夏となっています。 俳句を作るのが難しいと感じるのは、 時間と成果が比例しないところで、 もっとも、事務的な仕事でなければ、みな同じかもしれませんが、 長い間、じっと机に向かっていたとしても…

キリスト者の恵み

今日は日曜日。主日礼拝の日です。 日々の生活には、迷うことも多いですし、悩みは尽きません。 どうしたらいいか、いつも選択の連続です。 その時、私たちは、神に祈ります。 さまざまに、自分の言葉で父なる神に訴えるのです。 ですが、父なる神は、私たち…

男性、女性、その他

法政大学総長、田中優子先生にお会いしました。 今日は、法政大学富山校友会の総会で、田中優子総長がお見えになり、 文化講演会をなさいました。 一般の方々の入場も歓迎し、入場は無料だったそうです。 それは、田中総長の希望であり、常々、 法政大学とい…

林檎山

何事も模倣からとは、確かにそうですが、 酷似しているのは、よろしくないでしょう。 しかし、どこかで聞いたことのあるような句、というのはできるもので、 後で調べてみると、やはり、そうだったか…というものがあります。 今日も、自分で詠んだはずなのに…

鶏頭

鶏頭を三尺離れもの思ふ 細見 綾子大変有名な一句、細見綾子先生の代表的な俳句です。 写生句を謳う「風」俳句において、‟難しい”と思う俳句であるかもしれません。 これは、写生句なのか、 そもそも、こんな俳句があっていいのか、 初心者の私は、そう思っ…

冬薔薇

もう、8月も22日だというのに、 俳句がなくて困っています。 暗礁に乗り上げる、わたし…という感じです。 困りました。 さて、細見綾子 第2句集『冬薔薇』。 すでに背表紙が剥がれ、頁を開くと、 ぺりっと紙が落ちてしまいそうな古書です。 開き切らぬよう…

蛙の大鳴き

一つ鳴き万の蛙の大鳴きす 田島 和生田に水が張られてから、じわじわと蛙の声が増えて行きます。 蛙の声など、とんと聞いたことがない…という地域の方もあると思います。 それは、かわいそうなことだと思います。 が、それも勝手な思いであって、蛙が居なく…

俳人はなぜ長生きか

ある新聞で連載の「平和の俳句」。 選者の金子兜太さんが、退任されました。 98歳となられ、集中して選評を書けなくなったからだそうです。 俳句の選というのは、並大抵の体力では難しいと思っています。 何千、何万という数の俳句を読むだけでも相当ですが…