呼吸のように・・・

俳句のエッセー

牛さん

子どもの頃のお話を伺いました。

家鴨が何羽かいて、朝、水飲みに連れているのが日課でした。

が、ある日の朝、家鴨はいなくなっていました。

子どもだったので、「いなくなったんだ」くらいにしか思わず、

特に気にしなかったそうです。

また、別の方は、

子どもの頃、近所に鶏を飼っている家がありました。

学校から帰ると、友達と連れ立って出かけて、

鶏に草を与えて遊んでいました。

ある日、友達が告げます。

「昨日、行ってみたら、一羽も居なくなっていた。」

驚いて、また、皆で様子を見に行きましたが、鳥小屋は空でした。

揚げ句に、その家のおじさんに尋ねると、

「とにかく、もう居ないんだ。」

と叱られ、帰ってきました。

今なら分かります。聞いてはいけなかったのです。

さて、我が家では、

豚肉をブタ、牛肉をウシ、と言います。

が、そういうと、嫌がる人がいます。

「今日は牛にするから。牛、牛。」

牛肉は好きなのに、「牛」というと嫌がります。

しかし、きちんと、自分が何をいただいているのか知ることは、

とても大切なことだと思います。

今、とてもそういう自給自足的生活はできませんが、

感謝しないといけないと思います。

大好きな牛さん、有難うございます。

食材を「さん」付にして、笑われています。

が、これは感謝の徴のつもりでした。