呼吸のように・・・

俳句のエッセー

新松子

新松子(しんちじり)。
しんまつこ、とは読まないでください。
松の新しい実のことです。
今年できた松毬、と説明されていますが、
松ぼっくりの新しいものと思っていただければよろしいです。
松ぼっくりは、よく目にしますが、
新松子は、見ているようで、気が付かないかもしれません。
若い実は、いかにも青々と艶めいて見えます。
この青松毬は、やがて、松ぼっくりになります。
若い実を、どのような景色で表したらいいのでしょう?
金沢城の二の丸跡の広い敷地に、松が何本も植えられています。
当然、とてもきれいに手入れされていて、
今頃は、「松手入れ」が行なわれています。
松の種類は、赤松、黒松以外、分かりませんが、
葉を見る限り、何種類かの松があるように思います。
広場の陰は、松の陰だけ。
松の陰に憩い、梢を仰ぎ見ると、
太陽に雲がうっすらとかかり始めました。
日を遮られ、松の葉は色を濃くしたように思い、見ると
新松子があちらこちらを向いて、枝に成っていました。
城には松が似合います。
新松子に、若々しい力を感じ、そのまま眺めていました…