呼吸のように・・・

俳句のエッセー

まむし草

草が青々としてきました。
丈もなく、まだ、緑色が若いけれども、
少し道を離れると、鬱蒼とした気配に
文明人は警戒心を抱くのです。

出た。まだらの柄に細長い…なんだ、まむし草か。

素晴らしいネーミングで、まむし草は、まさしく蛇のようです。
鬱蒼とした草の間から、不気味に背を伸ばしています。

ひょいと上から葉の間を覗くと、
赤い斑を一つ持つ、てんとう虫が二匹、くっついていました。
が、一匹が滑り落ちます。
すると、続いて、もう一匹も滑り落ちました。

恥ずかしかったのでしょうか。

棲むものの居なくなったまむし草は、
まだ伸び足らず、不気味に真っ直ぐに立っていました。

城の頂きへ向かう、山の道です。


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