呼吸のように・・・

俳句のエッセー

買初

買初、今年は何だったか…
食べ物か、その辺の何かだったか、忘れました。
かつて、買初に財布を求めていました。
財布は、絶えず携帯し、鞄の中で揉まれ、
小銭でいっぱいにされて、カードを射しこまれ、と
酷使されるので、頃を見て買い換えることにしていました。
若いころ、
お気に入りの札入れがだめになったので、
同じような札入れを求めました。
それが、なんともお札の居心地が悪いらしく、
せっかくの新しいお財布が、中に入れるものが、ひどく乏しく、
思わず愚痴になりました。
それを聞いて、母が、
「もしかして、色は、赤?」
と尋ねます。
そうだと言うと、「やっぱり」
赤は、「赤字」に通じていて、真っ赤っか、になるそうな。
慌てて買い直して、黒い財布にしました。
先の財布は、一週間ほどでお払い箱になったわけですが、
捨てるのももったいないので、
姉にあげました。
姉は、たいそう喜んでおりました。

黒の財布にしたからと言って、大差ないように思いますが、
全く希望がないように思える赤と
基本的に大丈夫なのだと思える、黒。
気分は違うようです。