呼吸のように・・・

俳句のエッセー

虫の視点

夏草、草茂る…夏に蔓延る「草」の季語です。
俳句とは、感情を排して、客観写生で詠みます。
結社によって様々ですので、決まりはありませんが、
「風」系列の「雉」は、即物具象、客観写生を基本とします。
写生には観察が必要です。
変な人、と思われないように、人目を気にしながら、
対象をじ――――っと見つめます。
虫には、虫の気持ちになって。
花には、花の気持ちになって。
対象の写生で自分の感情を表します。
これは、口で言うほど簡単ではないので、
ここで苦しむのは私だけではない、重要なポイントでしょう。

で、虫の視点で草むらへ入ってみました。
草いきれ…ムッとする空気を吸って、草むらの上へ飛びあがってみると、
ただただ夏草が、谷の奥まで続いているだけでした…