呼吸のように・・・

俳句のエッセー

百日紅

来月、「雉」金沢句会の兼題、「百日紅」。
近くの牧場に、白さるすべりがあるのですが、
花は、まだでした。
能登へいく道すがら、あるいは民家の庭に、百日紅をよく見かけます。
色の種類が豊富のようで、同じ赤でも、様々にあるようです。

百日紅家の深きに人動く..........

百日紅の奥の家は、開け放たれた夏館なのでしょう。
突き当りの縁側も開け放たれていて、
庭の眩しい日差しに、家の中が一層影を深くします。
光を背に、家の奥深くに、人影が動くのが見えたのでしょう。
手前の百日紅と対照に、奥の人影をとらえた、
夏の生活を豊かに想像させる一句ではないでしょうか。
ですが、現在では見られない風景かもしれません。
家の深きに人動く…写生の訴える力を再確認した一句です。