呼吸のように・・・

俳句のエッセー

祖父の本

私の祖父は、鍼灸医でした。

…だったそうです。

それで、わが家には、その祖父の本がたくさんあり、

祖父が時間をかけて集めた本で、

それは大切にしていたようです。

誰がお願いしても、手放さなかった本ですが、

そろそろ私の責任において、整理しないといけないようで、

最善の処置を考えています。

祖父は軍医でもありましたが、

当時、すでに中年であり、内地の陸軍病院に勤務していたようです。

写真が一枚残っています。一枚だけです。

それが、近頃、戦争時代が人気で、

資料を集めている人も少なくないようです。

戦時中の珍しい資料はないか、尋ねられましたが、

さすがに残ってはいません。

祖父の遺品は、その鍼灸関係の本だけです。

大切な本ですが、ごみになるよりは、

大切にしてくださる方を探そうかと思ったりします。

父のカメラは、展示用に引き取られていきましたし、

どこか、活用できるところはないでしょうか。

祖父の本では、飯田蛇笏の俳句の本があります。

これは、私にとって、生きている本です。

本はいいですね。

大好きです。

が、ネットは登場して、本の活用も変るでしょう。

つまり、生活が変わるわけです。

新しい生活スタイルは、どんなでしょう。

かつて、テレビがなかったとか、冷蔵庫がなかったとか、

そういう時代と今では、がらりと変わっています。

同じように、がらりと変わるに違いないのでしょう。

想像すると、楽しくなります。