呼吸のように・・・

俳句のエッセー

戦後

「もはや戦後ではない」

という言葉を、なんとなく耳にしながら、

幼い時を過ごしてきたように思います。

戦争を忘れてはならないと、

様々なフィルムやお話などを見せられて、聞かされて、

私達は育ちました。

そして、今、客観的にその頃を思い、

戦後という時代は、長い歴史の中でも特別で、

今後、おそらく、二度とはない時代なのだと、

そのように受け止めています。

ただ、その時代に生きたものとしては、

それが普通で、あたりまえのことでした。

いま、それが特別なことだったと受け止め直した時、

ふつふつと興味が湧き、また、記録せねばという思いに、

駆り立てられます。

その渦中を生きた人間は、何を経験し、

何を思って過ごしてきたのか。

戦中、戦後を、どう生きて来たのか、

私達は忘れてはならないと考えています。

人が、懸命に生きてきました。

時代に流されて、どうしようもない運命の中、

小さな存在として生きてきました。

その思い、姿を、身近に感じたいと思い、

遺された記録を紐解きます。

記録は、かつてより残しやすくなりました。

ただ、時代を超えていく記録は、どれだけになるのかは、

現時点では、誰にもわかりません。

記録も、活用されなければ、歴史にはなりません。

歴史として刻んでいくには、

遺された資料と、それを活用する人が必要です。

私達は、その両者になり得ます。

心に何かを感じたなら、実行しましょう。

後の時代に活かされるように。

祈りつつ。