「雉」賞、初めて佳作に入りました。
つまり、初めて載りました!
おめでとう!佳作!
あまりに嬉しいので、解説つきでご紹介したいと思います。
キリスト教の信仰を詠んでいますので、
日本人には分かりにくいかと思います。
それらを説明しつつ、読み進めます。
最初に申し上げます。
カトリック信徒を装って、ごめんなさい…
それでは、「雉」賞 佳作受賞作品です。
ミサの鐘
白百合の蕾あまたやミサの鐘
ロザリオにルルドの小石夏に入る
桐の咲き時疫の町の静まりぬ
夏落葉深々溜り殉教地
十薬や右近の墓へ土の階
緑さす石の十字架粗削り
露涼し福者の墓は苔むして
石一塊墓標としたり五月闇
ほととぎす鳴いて祈りの十指解く
医院出て未央柳に佇める
海を見に人を避けゆく青田道
皐月波砂を渫うて透きとほり
鈍色の空のちかぢか合歓の花
夏雲へ翼を張つて鳶昇る
夜半の夏拾ひ読みせる聖書かな
礼拝に風よく通し蚊遣香
夏ともしマスクに歌ふ讃美かな
退院の一報に沸き花は葉に
窓の蟬笛吹くやうに鳴き出せり
濃紫陽花祈り終へたる目に溢れ