2015-05-01 薬餌七粒 手のひらの薬餌七粒山笑ふ....和生季語「山笑ふ」、春。 作者は、手のひらに錠剤を七粒のせて、今、飲み込もうとしています。 七粒もあれば、躊躇して当然かもしれません。 手のひらの薬を口へ運ぼうとして、ふと目を上げると、 窓の向こうに山が笑っていました。 「七粒も飲むのかい。大変だな、お前さん…」 そう言って、笑っているのでしょうか? 笑う山を見て、思わず苦笑いの作者を思い、 ちょっとおかしく、ちょっと切ない、一句です。