呼吸のように・・・

俳句のエッセー

秋の声

秋になると、空気が澄んで、
物音がいつもより響いて感じることがあります。
自然の物音のなど、例えば、枯れ枝が鳴る音とか、
ふいに大きく聞こえ、ドキッとさせられます。

昨年、公園で転んだ姉を助けてくださったアメリカ人宣教師を訪ね、
その教会へ出かけました。
毎年、気候のいい秋に日本に見えているそうですが、
かつて三十年間、日本で伝道なさっていたご夫婦です。
不慣れな土地で、車のナビに連れて行ってもらったのですが、
それでも迷い、ようやくたどり着きました。
車が一台、止まっています。
呼び出しベルを押します。が、返事がありません。
ガラスの扉は、開きました。
しかし、その奥の扉はカギがかかっています。
残念ながら、留守のようでした。
こじんまりとした新しい教会でした。
明るい黄色の壁が印象的です。
静かな住宅街で、ふいに秋の声を聞きます。
祈る思いで、教会をあとにしました。