呼吸のように・・・

俳句のエッセー

秋の日

先日、日も傾きかけたころ、
海辺の公園を歩いていて、突然、
背後から、どぉん!という音がして振り向くと、
姉が、仰向けに膝を抱えて、「痛い、痛い」と叫んでいました。
駆けよって抱き起こし、顔についた砂を落とすため、
持っていた水をハンカチに浸し、
額から鼻へ、傷口を拭いていたとき、
「どうしましたか」と、老人が近寄って来ました。
言葉に異国の訛りがあったその人は、
アメリカからの宣教師だということでした。
近くのプロテスタント教会で滞在中とのことです。

とても親切にしてくださって、
私の車のところまで送ってくださいました。

私もキリスト者だと言うと、大変、驚いたご様子でしたが、
こんなところで宣教師の方にお会いするだなんて、
とにかく驚きました。

その後、姉の顔はみるみる腫れあがり、
狐のような顔になってしまいました。
しばらくして、だいぶ良くなり、
試合後のボクサーみたいな顔になりました。

神は、最悪の場面だと思われる、その場に置いて、
救いを与えて下さることを、改めて知ったのです。