呼吸のように・・・

俳句のエッセー

木賊刈る

木材の伐採から加工までの工程を見学して来ました。
地元産の杉材の生産は疲弊しきっているとのことで、
「山を守ろう」との啓蒙が目的の一つのようでした。
その加工場で、廃棄される木っ端を、
自由に持ち帰っていいと言われて、一ついただいてきました。
10センチ程あるかまぼこ型の切れ端です。
腕枕にちょうどいいような、
ちょっと大きいかな、といったサイズでした。

そのままではガサガサして危ないので、磨こうと言うことになり、
何かないかと家人に尋ねると、
「ああ、木賊があったと思うよ」と言います。
勝手口の小さい下駄箱の右側に…言われた通り探してみると、ありました。
乾燥しきっていてちょうどいい感じです。
節々を折って束ねてこすると、確かに、艶が出てきました。

木賊は、丁寧に紙袋に入れられて、ひもで結んであり、
これは父がしたのだと思いだします。
木賊砥草で、研磨にいいのだと教えてくれたのは、父でした。
こんな手作業が大好きな私は、父に似ています。
毎日、気晴らしにちょっとずつ磨けば、
きっと綺麗な腕枕になることでしょう。
ぴかぴかにして見せましょうと、意気込んでいます!