呼吸のように・・・

俳句のエッセー

じやがたらの花

小学校一年生は、朝顔
二年生は、じゃが芋、と決まっていた。

学校の菜園に、持ち寄ったじゃが芋を植えていくのだが、
畝の左右に、一定間隔で穴を掘り、
一人一個ずつ、割り当てられた穴にじゃが芋を埋めていく、はずだった。

しかし、私の割り当てがなかった。
機械的に穴を掘っていったため、一つ足りなくなったのだ。

一人あぶれてしまい、面白くなかった私は、
こっそり角の所に穴を作り始めた。

しかし、それも先生に見つかって、制されてしまった。

結局、私だけ植えることができなかったわけだが、収穫は班ごとに行うので、
私の取り前がない、ということはなかった。

先日、新しくできた「道の駅」の近くに、整った畑があることに気付いた。
近寄って見ると、各畝の先頭に、「○○班」と、
色のついたプラカードが立てられていた。
黒のビニールシートに丁寧に覆われた畝のじゃが芋に、花は、まだなかった。
きっと、子どもたちは楽しみで、毎日見に来ているかも知れない。

そういえば、私はどうだっただろう。
記憶がない。
おそらく、自分のじゃが芋がなかったので、興味が失せたに違いない。

芋を洗うようにして育ったような、気がする…