呼吸のように・・・

俳句のエッセー

八重桜の芽

城山へ向かう新しい路は、観桜路といい、

八重桜を左右に整備されています。

途中、梅や椿を育てていらっしゃる農家の畑があり、

熊笹がさらさら言う中を過ぎれば、鶯が鳴きます。

冬場は、羚羊や狐の足跡が見られるところです。

もう少し登ると、鴨の池がありますが、

鴨は、もう、居ませんでした。

池の辺りの木々は、栗鼠が渡っていきます。

そこから道は曲り、皇尊の像が見えてきます。

今日はいいお天気で、空が真っ青でした。

八重桜の枝は、桜にしては太く、隆々としていることに気付きました。

蕾は大きく、空に向かって膨らんでいるのを見ると、

まるで獣の足の爪のようです。

ソメイヨシノは、もっと繊細だと思います。

八重桜は自然の逞しさがあるのですね。

青空へ手を伸ばし、掴もうとしているかのように感じました。

まだ、3月ですが、春の陽気に満ちています。

近くの中学校は、お休みなのでしょう。

閑散としていました。

4月には、子どもの声が戻ってくるのでしょうか。

まだ、警戒態勢の中です。

日本海側強風説

コロナウイルスは、飛沫感染するらしい。

締め切った部屋に、おしゃべりしていても発生する飛沫は、

ずっと漂い続け、感性していくということです。

感染予防にも、また、エチケットとしても、

マスクは欠かせません。

また、風を通すことが有効だと言われています。

ずっとではなくても、定期的に空気を入れ替えると、

飛沫は何処かへ飛んで行ってしまうそうです。

そこで、日本海側に感染者の出ていない地域が多いようですが、

これは、風が強いからではないかと想像しました。

2月は寒いので、部屋の中に閉じこもってしまう傾向があり、

感染者を出したみたいですが、以降はありません。

今日も海風が強かったです。

この季節は、春の嵐とならずとも、

冷たい風が吹き抜ける日が多いです。

おそらく、日本海側は、風が強くて安全なのだと思います。

日本海側、強風により安全説!

これからは気候がいいですし、窓を開け放っても気持ちよく過ごせます。

ますます安全な地域になるでしょう。

青嵐もありますし、感染者が出ないことを予想します。

予防に余念はありませんが、地の利はありそうです。

と、勝手な推測でした。

 

桜の木

倶利伽羅の谷へ出掛けると、たくさんの桜に出会います。

桜は日を受けて立っていましたが、

風が強く、しきりに枝を揺らしていました。

五感を使うことは、この身に何かを受けることなので、

風に体温を奪われつつも、桜の幹に触れてみました。

冷たいかな、と思いつつ。

しかし、意外にも温かでした。

春ですね。

桜の芽はうっすらとふくらんで、霞のようです。

風の音がして、そのあと、めまいがしました。

いえ、そうではなく、

桜の幹が風に揺すられ、私の身体に揺れが伝わったのです。

桜が揺れている。

枝ではなく、幹が揺れている。

驚きつつ、また、ずっと桜に触れていました。

しかし、もう幹は揺らぎませんでした。

風が来て、強い風が来て、

枝が空を揺するように揺れても、幹は揺らぎませんでした。

木は強いものです。

枝は風を受け流して、大きく揺らぎ続けても、

幹はしっかりとそれを支え、微動だにしません。

木々の知恵を思いました。

いえ、木々に知恵があるのではなく、このように造られているのでしょう。

人知を超えた何かを感じませんか。

私たちは、桜より優れたものだと思いませんか。

桜より美しいものだと思いませんか。

たとえ、この木々より長く生きられない存在であっても、

私たちはもっと素晴らしい何かをたくさん持っています。

人も、そのように美しく、素晴らしいものとして

造られているのでしょう。

 

 

春の雷

昨夜は、激しい風が吹き抜けたかと思うと、

パッと視界が明るくなり、雷鳴と共に激しい雨になりました。

今朝、お知り合いから伺ったのですが、

どうも近くに落ちたらしいです。

電気系統の復旧に時間がかかって…というお話でした。

家の近所ではなくてほっとしましたが、

その方のご近所は、お気の毒でした。

雨が上がれば花粉が飛びます。

上手くいかない春です。

句会は、ことごとく休会になり、

後は、人を避けて、自然の中で吟行するしかありません。

田舎に住んでいる方は、俳句をしましょう。

晴れても雨でも、嵐でも、楽しめる人生になります。

是非、お勧めです。

土筆

玄関先に、少しだけ土を残しています。

そこに、紫陽花や紫式部、楓など、育てています。

今、芽吹きの季節ですが、土の面には、

杉菜や土筆が並んでいます。

以前は、土筆はなかったのですが、どこからか飛んできたのでしょう。

手に触れると、ひらっと花粉が零れました。

朝の露がきらめいています。

草木を愛でる私のうなじに、朝日が差しました。

あたたかな日差しを、うなじに受けながら、

土筆を、じっと観察して飽きません。

あたたかさも、全身に伝わり、しばらくは、

気持ちのいい春の朝を満喫しました。

春は、解き放たれるような自由さがありますね。

明るくて、心が弾みます。