砂漠に迷い、オアシスのある村へ、
ようやくたどり着いた男がいました。
村は、もう人が住んでおらず、
水もありませんでした。
と、そこにポンプがあるのを発見しました。
もちろん、水が出るはずもなく。
男には、カップ一杯ほどの水が残っているだけでした。
ポンプを始動させるには、呼び水がいります。
このまま、一杯の水を飲んで死を待つか、
果たして、水が出るかも分からないポンプの呼び水に、この水を使うか。
男は、ポンプに賭けました。
それから8時間、
男は、ポンプを動かし続け、
そして、水は音を立てて流れだしました。
男は命に賭けて、勝利しました。
一杯の水。
私も命に賭けました。
あとは、水が出るまで、こぎ続けること。