呼吸のように・・・

俳句のエッセー

一杯の水

砂漠に迷い、オアシスのある村へ、

ようやくたどり着いた男がいました。

村は、もう人が住んでおらず、

水もありませんでした。

と、そこにポンプがあるのを発見しました。

もちろん、水が出るはずもなく。

男には、カップ一杯ほどの水が残っているだけでした。

ポンプを始動させるには、呼び水がいります。

このまま、一杯の水を飲んで死を待つか、

果たして、水が出るかも分からないポンプの呼び水に、この水を使うか。

男は、ポンプに賭けました。

それから8時間、

男は、ポンプを動かし続け、

そして、水は音を立てて流れだしました。

男は命に賭けて、勝利しました。

一杯の水。

私も命に賭けました。

あとは、水が出るまで、こぎ続けること。