呼吸のように・・・

俳句のエッセー

冬芽

桜をはじめとして、多くは冬に芽をつける。
寒さに耐えて、春を待つのだ。
堅い冬芽。
冷たい雨、凍える雪、その中の冬芽は感動的ですらある。
春を待つ冬芽。

桜は、春を謳歌して、いさぎよく散り、
葉を茂らせ、秋にはいち早く紅葉する。
紅葉が散り、冬芽が立つ。
そして、春に花開く。

繰り返す季節。

人は桜の一年を、ゆっくりと辿るようだ。
花は散っても、また、次の春がやってくるが、
人には、ない。
しかし、その命を受け継ぐ、次なる芽がある。
それが人の命の営み。

天に召された魂を、神様が抱きかかえてくださいますように。
ご家族の方々に慰めがありますように。
命は神の御手の中にある。
すべて神に委ねて、私たちは今日を生きる。