呼吸のように・・・

俳句のエッセー

大蟻

  大蟻や室生犀星文学碑   ちえり

かつて「雉」誌にて、田島主宰にとっていただいた句です。
「や」以外は、すべて漢字で、ちょっとした遊び心で作った記憶があります。
「蟻」は夏の季語で、今頃は地の上でも、木の上でも、句碑にも、
活発に動き回っている姿を目にすることができます。

蟻は、働き者で有名ですが、
夕方になっても働く動きに衰えをみせません。
自然の知恵なのか、蟻は賢く、
巣穴のあるところは、適度に木の陰になっていて、
夏の日差しにも涼しげな場所を選んでいるようです。

蟻は、いつ休むのでしょうか?
砺波山に夕暮れが迫っても、
蟻たちは、地を触覚でなぞりながら、
ひたすら動き回っているのでした。