呼吸のように・・・

俳句のエッセー

寒夕焼

メタセコイアの植えられた公園。
歩道を辿っていくと、小高い丘が見えてきます。
雪で覆われた丘は、無数の足跡が伸びていました。
様々なところから出発し、一様に丘の頂に向かって
歩いて行った様子がわかります。
丘の上には輝く雲がかかっていました。
輝く雲は切れて、その間から、
真っ赤な夕日が顔を出しました。
眩しくてじっと見ていられません。
真っ赤な光線は、太陽をぐるぐると回っているように感じました。
辺りは、夕日の色に淡く染められていきます。
夕日と雲は、その姿を塔に写して、
やがて、夜へと時を移していきました。

寒夕焼は、凛と引き締まった感覚と共に、
春は近いと教えてくれているようでした。