呼吸のように・・・

俳句のエッセー

寒雀

寒いこの季節の雀は、羽毛を立てて膨らんでいます。
「寒雀」「ふくら雀」あるいは「凍雀(こごえすずめ)」とも言います。
寒さに耐え、いじらしい姿ですね。
民家の柿木に柿が残されていて、雀たちが集まっていました。
良く見ると、他の鳥たちも一緒になって、
餌をついばんでいるようです。

ある時は、枯れ木の梢に
たくさんの雀たちが止まっていて、
ふとした瞬間、一斉に空へ飛び散って行きました。
まるで、花火か何かが弾けたようです。

雀という鳥は、人と共に生きている鳥です。
野生ですが、人の住んでいないところでは
生息しない鳥だと聞いたことがあります。
村が移動すれば、雀もいなくなるのだそうです。

雀も、きっと、
私たちと同じように
春を待ち遠しく思っていることでしょう。