呼吸のように・・・

俳句のエッセー

十薬

十薬は、「どくだみ」などというものだから、
ひどく悪い物のように感じることがある。
しかし、
白い十字の花は可憐で、香りもいい。
さすが薬草、といえる。

我が家の北向きの玄関に、小さな花壇があるが、
いつの間にか十薬が生え出ていた。

十薬の花は好きなので、そのままにしておく。
そのうち蔓延っていくだろうと思う。

かつて、背戸にたくさん生えていた十薬は、
母が煎じて飲もうとして、蔓延らせたものだ。
しかし、父が不衛生だと反対して、
結局、どくだみ茶は一度も実現しなかった。
父が反対するのはいつものことで、
買ってきたものの方が安全だし、美味しい、と言うのが持論だった。
百貨店マンらしい…

今は、観賞用の十薬。
キリスト者となった私は、白の十字架が気に入っている。