呼吸のように・・・

俳句のエッセー

百日紅

  百日紅幹隆々と咲き初むる   田島 和生

覚えています。
これは、俳人協会富山支部講演の翌日、
雉の方々と吟行会をした時の作品です。
吟行地は、民族民芸村。
橡の実がたくさん落ちていて、先生はふざけて転がして。
五百羅漢では、探鳥の方々と出会い、
「ケラが来た!」と皆さんが見上げていたのを見ていたり。
考古館を駆け足で回り、蛙の置物をお土産にし、
そして、売薬館では、二日酔いの薬をお求めになった先生でした。
その後、投句した人から順に昼食をいただき、
(投句が済むまでは食べられません…)
句会で、特選になった句だったと記憶しています。
あの日は雨で、百日紅の幹は、
一層くろぐろと斑が際立って見えました。
俳句は、思い出をとどめる十七文字ですね。
鮮やかに記憶がよみがえりました。
私も、一つでもいい句が詠めたらと願っています。