呼吸のように・・・

俳句のエッセー

獅子独活(ししうど)

  獅子独活の白々ひらく地震の崖   田島 和生
これも覚えています。
金沢で同人総会があった一昨年、総会の後、
能登へ吟行に出かけました。
バスで行く能登への道は、幾つものカーブを走り、
ニセアカシアが咲き、獅子独活も花を競っていました。
そして、いよいよ奥能登へ向かう道すがら、
最も美しく、獅子独活が咲き広がっているのが印象的でした。
その時の景色が、この俳句になったのだと思います。
地震の崖」という表現が印象的で、
私も真似て作ってみましたが、上手くいきませんでした。
真似はいけませんが、まず、模倣して学んでいます。
歴史的な事件を詠み込むときの参考として
この句を頭に置いています。
獅子独活の白い花が、地震の傷跡を被うように
崖一面に咲いている景色。
痛みを覚える一句です。