呼吸のように・・・

俳句のエッセー

山羊の瞳

稲葉山というところがあり、標高346メートル。
三四郎」と覚えさせられた。
その稲葉山の山頂に山羊がいて、
敷地に入って山羊と遊ぶことができる。
草を差しだすとむしゃむしゃ食んでおとなしいけれど、
手にした草に飛びかかって来た時は、ちょっと驚いた。
覗きこんだ瞳の中に十字があり、それがうつろに思われて、
山羊という動物の特異性を感じたりする。
犬や猫のように、可愛いという感じはなかった。
これが第一印象だった。

動物は人の心を和ませてくれるだろうか?
皆、この山羊の柵の中に入って、何を考えるのだろう。

メエエエエ〜〜〜
と、時々、山羊の震えるような声を聞き、
耳がプルプル揺れるのを見て、
心が山羊になったりする。
すると、
なぜか、見るものすべてが楽しくなって、
気分が晴れ晴れとする。
これが、
動物の効能?かも知れない。