呼吸のように・・・

俳句のエッセー

猫じゃらし

この家の居間の辺りは、かつての花壇があったところだ。
野良猫が良く遊びに来ていたが、
猫はよく子供を産んで、ねずみ算式に増えて行った。

和風の短毛の仔猫の間に、一匹、長毛の猫が生まれた。
おそらく、隣町の○○さんちのペルシャ猫の子だろう…と、
だいたい判ってしまうのだが、それはいいとして…
その仔猫たちを並べて、暇つぶしに
猫じゃらしでからかって遊んでいた。
すると、面白いことに気付いた。

短毛の仔猫は、猫じゃらしを振ると、
それを後から後から追っかけて、左右に飛び回るが、
長毛のペルシャの混血は、じっと注意深く目で追うだけだった。

そして、猫じゃらしの動きを止めると、
誰よりも早く、飛びかかって押さえこんだ。
短毛の仔猫たちは、動きが止まるとぼんやりしていた。

偶然ではない。何度やっても同じだった。
狩猟の遺伝子だろうか。
これほど顕著な違いがあるとは知らなかった。

猫にも特性があるのだ。
その猫に適応した環境に生きることが、
一番いいだろう。

はたして、この土地で、
この野良猫の特性が生かせるのかどうか、
難しいところである…