呼吸のように・・・

俳句のエッセー

氷菓

炎天下、懐かしいような旗が見えた。
赤字で一つ「氷」と書かれていて、
ヒラヒラと風になびいていた。

かき氷というと、
機械で氷を挟み、がりがり、がりがり、回して削って器に落とし、
シロップをかけて食べる、シンプルな夏の味だ。
イチゴの赤いシロップは人気だが、
私はミルクが好きだった。
抹茶や小豆は、大人の味だと思っていた。

そのうち、セーラー服を着る年ごろになって、
フラッペというフルーツで飾られた、派手なかき氷?が流行った。
リンゴやオレンジが器の先に挿してあって、
こんなにたくさん、一人で食べられるの?
というほどのものをスッキリ平らげた。

短大生になり、ちょっとおしゃれなお店に凝りだして、
用水を渡ったさきにある、街中の小さなお店では、
チョコレートパフェが人気だった。
なぜって…
花火がついてきたから。

ぱちぱちと音を立てて火花が散っている、
その花火がクリームに挿してあって、
煙を立てながら、ギャルソンに運ばれてくる。
初めて見た子は、目を丸くして、歓声をあげて喜んだ。

彼女の心をつかもうと、男の子たちは
デートにこのお店を選んでいた。

氷菓もいろいろ、
年齢と共に進化して、
今は、何でしょう?
また、戻って、「氷」…「かき氷」でしょうか?
シブい?