呼吸のように・・・

俳句のエッセー

茗荷の子

前の家では、背戸の紫陽花の裾、一面に茗荷が生えていた。

茗荷は、芽を出すまで更地の如く、なので、
知らない間に物を置いたり、掘り起こしたりしないように、
注意しないといけない。

芽を出してからは、更に困難で、
草を引く時は足の踏み場に困った。
いい加減に放置状態になり、
茗荷もかなり大きくなってから草を刈った。

茗荷は、結構丈が大きくなり邪魔なので、
一度、茎の先を切り落としたことがあった。
すると、茗荷の子ができなかった。

その時は、皆に責められた…

夏、みそ汁の具がないと、
「ちょっと行ってくる」と言って、
茗荷の子を摘んできた。
便利だった…

食欲のない夏は、茗荷の香ばしさが美味しく感じられた。

今、茗荷の子を買わなければならないのは、
ちょっと、悔しい…