呼吸のように・・・

俳句のエッセー

睡蓮

睡蓮が美しい。
切れ目の入った葉が、水の上に、重なって浮かんでいる。
花は作りもののように、完璧なフォームで天を向いている。

重なり合った葉の間を、錦鯉が見え隠れしながら過ぎていく。
随分、大きな鯉のようで、錦の柄がゆったりと流れていった。

同じ水面を、白鷺が狙っている。

生き物の世界も、生命の営みが展開されている。
小さいようで、力強く、エネルギーに満ちている。

今、この時を、全力で生き抜いている小さな命たちより、
豊かに生きるすべを倣う。