菖蒲園が賑わっています。
畝一列ごとに、様々な種類が花をつけていて、
色の帯が重なっているように見えます。
ひときわ目立つ、紫一色の花は、
まるで、この季節の涼しさを集めて、色づいているようです。
梅雨の蒸し暑い季節。
凛と立ち並ぶ、菖蒲の花は、いかにも高貴です。
奥ゆかしい美しさと思ってしまうのは、どうしてでしょう。
こんなにも華やかであるのに、どこか頼りなげにも見えます。
風が来て、花が揺らぐ時、
花びらに溜まった雨が、雫となってこぼれおちます。
言葉を交わして思いが重なった時のように、
花菖蒲に添って、私は立っていました。