呼吸のように・・・

俳句のエッセー

桜の蘂(しべ)降る

今日は、午前中、嵐のようだった。

日曜日は礼拝に出かけるが、その道すがら、
雨風に吹き飛ばされそうになった。
今日は、金沢の教会まで来た。
教会までの広坂通りは、せっかく美しい季節と言うのに、
まったく余裕がなく、目に入らない。

しかし礼拝を終え、外に出ると、
嘘のように晴れ渡っていた。

雨後のカラフルな石畳に、張り付いた桜の蘂を踏みつつ歩む。
沿道のつつじは、目が冴えるような赤と
清楚で瑞々しい白とが混在していた。
どれも雨に洗われて、艶やかな光を放つ。

アメリカの音楽」というポスターに目が止まったり、
「中国陶磁」の展示に立ち止まったり、
行きと帰りとでは、別人のような余裕である。

雨上がりは、礼拝後の気分と同じ、清々しい。
いつも、このような心持で過ごしたいと願う…