草ゆれて草鳴くやうに蟲しぐれ 田島 和生
泊康夫先生の本
『俳句の切れに関する例句集—「雉」俳誌より』
「やうに」が「やうなり」の形容詞の連用形でここで切れる。
一物仕立ての句。
「草鳴くやうに」の比喩に独自性がある。
泊先生は、文法に大変厳しい指導をされました。
従いまして、北陸地区では文法に厳しい指導がなされます。
「切れ」に関しては、意見がさまざまにあるところですが、
俳句の基本として、まず、季語があること。
そして、「切れ」があること、とされています。
「切れ」という言葉は、一般になじみがないかもしれませんが、
俳句ではよく使われる言葉です。
目撃情報によると、ある時、泊先生と林徹先生が議論されていて、
林先生が大声で、
「切れがなくてもいいじゃないか!」と
仰っていたとか。
私など、言葉を挟めるような立場ではありませんので、
黙して語らず、です。