呼吸のように・・・

俳句のエッセー

沈黙

原作、遠藤周作
映画「沈黙‐サイレンス‐」
行ってきました。感動しました。
遠藤周作は、私の大好きな作家です。
私は、遠藤先生のノーベル文学賞を夢見ていたのですが、
叶わず、先生は帰天なさいました。
そして、今、巨匠、スコセッシ監督による映画化。
神様の時が来ました。
ノーベル文学賞は取れませんでしたが、
この作品によって、あるいは、もっと素晴らしい、
歴史的に意義あるものとなったように思います。
日本人の信仰。
パードレの信仰。
素晴らしいセリフ。
私は、映画化にあたり、二つの注目する場面がありました。
一つは、ロドリゴが信徒に向かって、
踏み絵を「踏んでもいい」という場面。
もう一つは、ロドリゴが踏む、踏み絵のイエスが語る場面です。
どちらも、私の想像を超えるものでした。
しぼり出すように、しかし力強く「Trample!」
と、二回だったかのセリフ。
踏み絵のイエスが語り出す、間合いと落ち着いた声。
感動しました。
フェレイラとロドリゴは、誰にも真似できない、
主イエスに倣った信仰を生きたのです。
誰からも理解されず、蔑まれ、踏みつけられた人生。
信仰を得るのは難しいかもしれません。けれども、
一度得た信仰を、捨て去るのも容易ではないのです。
主は、最後まで二人のパードレと共に歩まれました。
信仰の深さを物語る映画です。