呼吸のように・・・

俳句のエッセー

浮葉

鯉が泳いできて、
鯉の背に美しい模様があったり、真っ黒だったり…
丸々太った鯉が、ふらふら漂って、
浮葉の中へ入っていった。
浮葉が左右へ分かれて動き、
また、静止して、鯉の背びれが留まって見えた。

そこで、鯉が動き出したかと思うと、
尾が浮葉の間に立って、浮葉を左右へ掃きとばした。
元気のいい鯉は、そうして浮葉を揺らし、
水の中を進んでいった。

もうすぐ、蓮の花を揺らす鯉が見られることでしょう。