麦が育っています。
青麦は、若者のようにまっすぐに育っています。
麦畑は一面に広がって、その間を川が流れていました。
大きな声が響いてきましたが、姿が見えません。
ふと足元を見ると、橋の下に数名の測量士が声を掛け合って、
何かをしていました…
ゴムボートに乗り、あるいはメジャーを曳いて、何をしているのでしょう。
遠くに雉が鳴きます。
その、さらに向こうの山々は、
川の水のように、青々としていました。
内灘
小説「内灘夫人」の内灘です。
内灘海岸へ、外乗へ出て行く一行が見えました。
サラブレットの細く、美しい足が、
海岸の砂を蹴ってゆきます。
草原も素敵ですが、海岸は格別と言います。
騎馬の快感を想像できるでしょう。
眺めているだけでも胸が躍ります。
サラブレットの足は、本当に美しいです。
その細さは、速く走るために交配させて
造り上げたものなのだと知りました。
速く走るためには、足は細くなければならないとは、
初めて知りました。
筋肉隆々、太い方が速そうですが、
違うらしいです。
馬は、癒しにもなるそうで、
触れ合い目的の方も多いと伺いました。
馬とふれあい、自然と触れ合い、言うことなしです。
身近なところにも、新しい発見があります。
知らないことが、まだまだたくさんあるのだと
知りました。
燕
厩へ馬を曳いていくとき、
脚が軽やかなので注意してくださいとのこと。
人間と同じで、仕事に向かう足どりは、なんとなく重く、
帰りの足どりは軽いものだそうで、親近感をいだきました。
慣れない手つきで手綱をひく私に、
しかし、馬はちゃんと付き添ってきました。
指示されるとおり、ブースをぐるりと回って馬の頭を正面へ持ってきました。
私もほっとしましたが、馬もおとなしく、鞍を外されるのを待っています。
バケツにお水を張って、口へ持っていくと、
一生懸命飲んでいました。
大きな顔が、愛らしく感じます。
もう一杯。
人間でいえば60歳ぐらいだそうです。
よく見ると、御髪(鬣)に白いものが混じっていました。
見あげると、梁の上に燕が一羽、傍若無人にきょろきょろしています。
燕は、馬たちの頭上で自由にしているのですが、
馬たちは、まったく気にとめません。
燕は、この近くに巣をつくっているのでしょうか。
生き物たちの共存している姿に、
不思議に思う、人間の私でした。
馬に乗る!
馬に乗ってきました。
乗馬といいます。が、そんな立派なものではありません。
無料体験のチケットを頂いたので、行ってきました。
馬の背に乗って、高いとは思いませんでしたが、
結構、揺れますね。
「動物に乗ったことは、ありませんか。象とか…?」
そんな経験、ないでしょう、普通。
馬ではありませんが、昨年、ラクダを見ました。
乗りませんでしたが。
「そうですか、残念ですね。大型の動物は、近くには?」
あ、牛ならよく見ます。
近くに牧場がありますので…。が、乗ったことはありません。
「そうでしょうね」
インストラクターとお話ししながら、進みます。
上手く歩いて、止まったら、首を叩いて誉めてあげます。
「有難う」と感謝いっぱいで、首をそろそろ叩くと、
もっとしっかり叩かないとわかりませんよ、というので、
人間なら「痛い」くらいで叩いて、褒めてあげました。
ここが、マシンと違うところです。
いつもは車に乗っていますが、機械ですから、
大切にメンテナンスをしたり、洗ったりしても、
それは自分の物だからで、感謝ではありません。
良く走ったからと言って、褒めてあげることもありません。
当たり前のことです。が、馬は違います。
機械に慣れている時代だからこそ、馬に乗るべきだと思いました。
それは人間と同じ、生き物対生き物の、血の通った交流です。
不思議でした。
馬に気を遣って、何が楽しいのか、と思うかもしれません。
ですが、それは違います。
これが、人の本来あるべき姿のように思います。
若い方は、子供は、是非、乗馬をなさったらいいでしょう。
思いやりとは、このような関係から学ぶのだと思います。
いい経験になりました。