呼吸のように・・・

俳句のエッセー

祭囃子

もう、練習は終わったようです。
ずっと、祭囃子が聞こえています。
毎夜、毎夜、獅子舞の練習が続きます。
子供たちが集うのは、9時まで。
そのあとは、大人の練習時間です。
太鼓、笛、そして天狗の舞の練習が続きます。

わが町内の「天狗」は、まず、眠っている獅子に
天狗が近づくところから始まります。
獅子が長くなって眠っているところを、足を引っかけて、刺激します。
やがて起き上がった獅子は、天狗に襲い掛かろうとしますが、
天狗は太刀を身の後ろにかくして、敵意のないことを示し、獅子をだまします。
そのうちに、太刀を振り回して、死闘が始まります。
地に落とされた太刀を、天狗が拾おうとして獅子が襲い、
天狗はひるんで引き、また、太刀に手を伸ばして取れず、
これを三度繰り返したのち、太刀を手にした天狗は、
いよいよ獅子を誘い出して一騎打ちです。
戦いは、何度も盛り上がりを見せながら、徐々に激しさを増し、
終には太刀をエイヤとばかりに天空へ振りかざして、
獅子の頭へ一気に振り下ろします。
何度も何度も左右に切りつけて、最後は獅子の顔面へ太刀を立て、おしまいです。
この物語性が、わが町内の獅子のいいところです。
見ていて飽きませんし、とても楽しめます。
獅子は百足獅子。
加賀のような三味は入りませんが、踊りは優れています。
加賀獅子は、お囃子が素晴らしく、優美さが売り物です。
そろそろ夏祭りの季節です。
毎週、どこかで祭囃子が聞けそうですね。