「鏡開」「鏡割」「お供へくづし」「鏡ならし」
正月十一日、歳神に供えた鏡餅を下げて食べる祝儀。
もとは正月二十日に行われた行事であるが、一般には十一日が多い。
鏡餅は刃物で切ることを忌み、手や槌で割るのがしきたり。
切るとはいわず、開くという。
(『風俳句歳時記』沢木欣一編 1996)
なるほど、それで「開く」と言うのですね。
日本人らしい言い方です。
スルメがアタリメになるのと同じ理屈ですね。
今日は、鏡開をしました。
鏡餅を下げると、紅白のお餅はみごとにひび割れて、
掴むと一部が剥落しました。
乾燥しているのですね。
「ワサオーロ」という便利な防カビシートが活躍し、
ほとんど黴はありませんでしたが、
それでも一部の黴を取り除かねばなりません。
刃物を持ち出して、固くなった餅の表面に当てますが、
恐い、恐い…
結局、そのまま水の中に沈められたのでした。
今、水につかっています。
水につける時、黴の胞子が、日差しにふわっと舞いあがるのが見えました。
…胞子はどこへ行ったのでしょう…
こうして鏡開は終わりました。
後は水餅を切って、
煮て、焼いて、食べるだけです。
もちろんその前に、黴は落とします。
ガタガタに不揃いで、固いところがある
お餅の日々が始まりました。