呼吸のように・・・

俳句のエッセー

飛馬始

珍しい季語に出会いました。

ほとんど例句がないと思いますが、どうでしょうか。

「ひめ始」これは、宮中行事の「飛馬始」(漢字いろいろ)など、

諸説ある季語で、今年最初の逢瀬を言う言葉としても使われています。

季語は後者だと思います。

この季語を使った俳句を発見しました。

姫始め草津深谿雪籠めに  古蝶

古蝶さんは、面白い句をお詠みになります。

私の印象では、「春耕」さんが男臭い感じでして、

こういう個性を問題なく受け入れていた(いる)、のではないか、

と思います。

かつて、宮中より発生の「ひめ始」は、

新年らしい水、火を使い始めるとか、

馬を走らせる(無知でこれ以上は知りません)とか、

「ひめはじめ」の音で、いろいろな漢字があるようです。

和歌を学ばれた方は、よくご存じだと思います。

新年には、初稽古や、初弾、弓始など、

いろいろと「初」「始」を使った季語があります。

日本人のけじめと言いますか、新年、新たに、という区切りで、

日常のことに「初」「始」を付して、特別なことと位置付けています。

「今年初の・・・」が、好きな日本人です。

さて、今日は「今年初の大雪注意報」が出されています。

春の雪は重いので、いちいち大変です。

暦の上での春でしかないように思いますが、

降る雪は、間違いなく「春の雪」でした。

今、ふわふわとした大粒の雪が、まっすぐに音もなく降り続いています。

これは、積もりますよ。

皆様、警戒しましょう。