呼吸のように・・・

俳句のエッセー

修道女

早足に緑陰抜ける修道女   左藤尚夫

 

佐藤先生の句集「薔薇」より。

修道女をお詠みになった俳句は、いくつかあります。

その中の一つですが、これは、聖霊病院での風景だったと記憶しています。

確か、お若い頃、研修医として聖霊病院で勤務されていて

その時に目にした風景をお詠みになったのだと

確か、そのように仰っていたと思います。

修道服の裾を、サバサバと払って、足早に行く様は、

使命感を帯びた神の働き手、という感じがしたのでしょう。

緑が生い茂った下を、逞しく抜けてゆく女性を、

ある種の羨望を以て見ていたと、そう仰っていました。

神の人は美しいのです。

私も、このように歌われたいと思いました。